ミニトマトの水耕栽培-バーミキュライト編
- はじめに
- この水耕栽培は実験的に栽培したので、この通りに実施されても上手く育てられないこともあります!!
- 水耕栽培容器の準備
- ここでは7年前のバケツを使うことにしました。相当汚れていますがご了承ください。
見た目よりもポイントはドリルで穴を開けます。直径3mmくらいのドリルです。保護メガネ等を付けて安全に気をつけてください。
重要なのは穴を開ける位置でです。バケツの下から1/3くらいの高さに穴をあけます。これをバケツ1週させながら3ヶ所程穴をあけます。
このバケツは容量が7,8Lなのでおそらく2Lくらいは水が貯まるスペースが確保できます。
- 水耕栽培に使うミニトマトの苗の準備
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水耕栽培用の苗というのは売っていません。おそらく、個人向けにはないのでしょう。そのため、洗います。
まず、育苗ポッドから苗を取り出して土をざっとはたき落とします。その後、水の中で動かしながらでよく洗って根が白くなっているのが見えたら大丈夫です。
- 水耕栽培の培地の用意
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水耕栽培と言えども、培地と呼ばれる、根本を固定するような基材が必要となってきます。今回は給水機能も担うという意味でバーミキュライトをたくさん使いました。さきほどの穴をあけたバケツにばーっと8分目まで入れます。このとき、粉塵を吸わないように気をつけてください。
そして、水をペットボトルなどで注いでいきます。水道水です。2Lのボトルで2回分は入りましたが、横穴から水はもれませんでした。すごいものです。
とにかく、バーミキュライトの最大の利点は吸水性です。これだけ吸収でき、保水効果に優れる用土が他に思いつきません。
- 苗の植え付け
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さきほど洗ったミニトマトの苗を植え付けます。植え付けるといってもとても軽く、濡れていて柔らかいバーミキュライトですので、そっと穴をあけ、根が隠れるように埋め戻すというかんじです。
まったく締め固めるようなことはしません。そっと植え付けます。
- 植え付け完成
- これで、水耕栽培の植え付けが完了しました。
- 養液の作り方
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水耕栽培は通常、一般的に、普通は、必ず、水耕栽培用の液肥を使います。濃縮タイプ、粉末、ストレートタイプ様々です。
とにかく、化成肥料をそのまま使うことは枯れる原因を作るので推奨されません。また、溶けないです。それに、化成肥料にはNPKは含まれていますが、微量元素とよばれる植物には必須のミネラル類が含まれていません。
ここでバーミキュライトを使用しています。バーミキュライトは化学式を見れば分かるように、Al、Mg、Caなど重要微量元素が盛り沢山です。溶けるかどうかということはさておき、鉱石を焼いて作っただけのことはあり、ミネラル分には事欠きません。水中にあれば多少はとけだすのではないかと個人的に思っています。専門家ではないのでわかりません。
まだ、分からないですが、もしかしたら、化成肥料はNPKだけしか入っていないといいますが、固形のため、化合物ですので、Nとなんらかの物質、Pとなんらかの物質、Kと何らかの物質の結合されたものです。その肥料にもよりますが、カルシウムなんかは入っていることが多いのではないでしょうか?
ただ、全く、記載されていません。NPKの含有量、有効量は書いてありますが、材質は書いていません。酸性になるのかアルカリ性になるのかもわかりません。 - 植え付け後の様子
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大きさは少し成長したでしょうか。たしかに植え付け時のひ弱さに比べるとだいぶ良いようです。しかし、葉が若干枯れかかっています。これは葉のふちの部分に見られるのですが、植物は大抵、根をいためるとこうなります。育苗ポッドから出した時に根をだいぶ切ってしまいました。また、急激な用土の変化で根が少し焼けたのではないでしょうか。
- 数日後の様子
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黄色く枯れかけていたところも収まり、葉が全体的に緑色をおびてきました。これは肥料が効いている証拠です。良い感じです。
今のままでは、外から見た分には、普通に化成肥料で栽培しているのと何が違うのか?という感じです。
- 成長の様子
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見るからに元気です。成長しているのがわかります。葉も厚くなり、茎も太くなっています。緑も濃いのが感じられます。これは、バーミキュライトは無肥、栄養分はないので、化成肥料を溶かしたものが効いているのが実感できます。さすがに水だけではここまで成長できません。あとは分量を調節して、養液の濃度が濃くなり過ぎないようにすることです。
これまで、3回、化成肥料を溶かした養液を補充しましたが、雨や毎日の水やりなどで横穴から水は流れ出しています。こういうことで余分な養液中の成分が薄まって、根やけを防止してくれることを期待しています。
成長して、肥料をよく吸っているようで、緑があざやかです。
水耕栽培で水分が豊富にあるため、枝葉が水ぽくなっている様子があります。
さらに数日後、大きくなっているのがだいぶ分かります。
花芽も確認できました。トマトは成長がわかりやすくこの頃の成長がとても楽しい所です。
これから、成長が加速してきます。
- 栄養分が多いと葉が巻いてくる!
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これは、植え付け初期の根が痛んで、葉の縁が枯れてくるのとは別で、葉がカールしたように巻き上がってきています。少しですが、これはトマトにある生理障害で、肥料過多の時に見られるものです。どうやら、かなり肥料が効いているようです。
そのようなときは、肥料を控えるべきなのですが、何日間控えればいいのか様子を見たいと思います。1週間くらい養液は補充せず水のみを与えていました。すると、若干カールしていた葉が通常の状態に戻りましたので、再び養液を足し始めました。 - 果たして、根やけせずに上手く育つか?
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だいぶ成長しました。
どんどんと、わき芽が伸びていきます。4,5本仕立てにしようと思います。
- バーミキュライト水耕栽培-開花
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ついに、開花です。8個の花がついていました。
見た目には、追肥として化成肥料を与えている鉢植え栽培です。
しかし、底の方に水がたまっています。
また、バーミキュライトは水分を吸い込むので、根の周りには常に水が満たされている状態です。
- 急激な成長を見せ始めるミニトマト
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バーミキュライトと化成肥料だけの水耕栽培で、強烈に成長しています。このしっかりとした茎や葉は化成肥料のお陰で育ったものです。
どうやら、土耕用に市販されている即効性化成肥料だけでも、バーミキュライトを使った水耕栽培なら成長してくれそうです。
支柱を地面に挿そうと思ったのですが、一面に根がびっしりで根をいためてしまいそうでさせませんでした。これくらいでも、バケツの中は根がびっしりです。土耕栽培とくらべると、格段に根が伸びまくっています。土耕栽培でバケツを使ったことがあるのですが、最終的な状態まで育てても、根は浅く、短くするりと抜けてしまいました。
排水がよくなかったからだと思います。そのため、根が深くに入り込めない。また、土が硬く、根が伸びにくい環境だったのだと思います。水耕栽培をやってみると、根の成長にとても感動させられます。
草丈が80cmを超えましたので、仮支柱を立てます。
花が勢い良く咲いています。ガクが非常に強く、しっかりしているので花落ちなども心配いらなそうです。
- 台風直撃!水耕栽培壊滅的被害
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水耕栽培は台風に弱いです。しかし、この時期に?という時期です。
近年、気候が変わりつつあり、大変おかしなことが多くて、水耕栽培も大変です。風でひっくり返ることなどはあたりまえのように予測していたのですが、
しかし、今年はどうしたのか?今までこの場所で経験した中で最大風速は13mくらいでした。それが21mがもろに直撃しました。
せっかく、支柱にまきつけたのに、数時間後です。それがあだとなって、風で、花芽や新芽がごっそりともぎとられてしまいました。
がっかりです。いったい、どれくらい成長がおくれたのでしょうか。
- バケツ水耕でミニトマトが栽培できました!
- まだ赤くなっていませんが、この方法はいいと言えるかと思います。
バケツで土耕栽培をしてみると分かるのですが、数年前にやったこともあります。この時に比べると差は歴然です。
ここまでうまくできるとは思いませんでした。バケツで7分目まで使い、有効容量は5L程度でしょう。この容量のプランターでトマトをここまで大きくできるでしょうか?
ミニトマトの水耕栽培-バーミキュライト編
バケツで水耕栽培-バーミキュライト編
水耕栽培に使う苗
バーミキュライトで水耕栽培
水耕肥料について
バケツ水耕栽培で成長するトマト
バケツ水耕栽培でトマトが開花
バケツ水耕栽培でトラブル発生!
トマト復活!収穫間近!
バケツの大きさを見ると、木の大きさが良く分かります。
背丈は伸ばすと2mを超えてます。
一度、3本中2本の先端が折れてますから、この程度です。
全部でおよそ5本仕立てくらいの枝ぶりになりました。
台風で折れて以来、わき芽をとらずに樹勢を回復です。
1果房あたりの実の数は少ない品種で、地面に植えてもこれくらいです。
風でおれなければこのように綺麗な実がもっと早く収穫できたのですが。
台風の被害から復活してたくさん着果しています。
花がどんどんと開花しています。
折れたところです。
根がびっしりとはっています。地面から飛び出しています。
バケツの形の根鉢ができているでしょう。
ようやく、トマトが色づきました。赤ではなく黒系のミニトマトです。
収穫出来る数が元から少ない、1果房に6個程度しかならない、黒系のミニトマトです。そのため、収穫個数は少ないのですが、多収系の1房に40個くらいなる品種にすればたくさんの鈴なりのトマトがなったかもしれません。ここは、1本の木から何個のトマトが穫れたという記録になるようなものはできません。
ただ、バケツで十分だと書いていましたが、6個花が咲いて着果しても肥大するのが4個程度ということもあり、若干栄養が足りない感じがしました。肥料の回数か、バケツの大きさが小さくて根がこれ以上広がれないからか?どちらかはわかりませんが、いずれにしても、一度、すべての枝が折れていますから、比較もできません。
おそらく、1本のミニトマトから大量の実の数を収穫したのであれば、水耕であってもできる限り大きい容器が有利なことは間違いなさそうです。ただ、その割合が土耕栽培に比べれば小さくて済むという感じなのかもしれません。
バケツで水耕栽培してみて
トマトをバケツで水耕栽培してみて、ほとんど何の問題もなく成長しました。
途中トラブルとなったのは台風の直撃で枝がおれた位で、水耕栽培自体は全く問題がありませんでした。また、ハイポニカなどの水耕栽培専用肥料を使わずに普通の速効性化成肥料を使うという方法も、通常の使い方と異なっているため自己責任での使い方となってしまいますが、これでちゃんと、水耕栽培のトマトが育ってくれたというところが凄いです。
バーミキュライトという用土も非常に優れた用土だということも分かりました。
鉱物からできていて、養分は入っていないと思われるのですが、植物に必要な微量元素が少しは溶け出しそうなものです。
そういったものの欠乏症などの症状が出ることはほとんどありませんでした。今回、トマトを育ててみて、そのときの肥料と言うのは水耕栽培の養液のように必ず毎回与えるのではなく、様子を見ながら必要な時だけ適量与えました。
普段は水だけを与えていました。ですので最初のうちは肥料を与える回数は一週間に一回ぐらいでした。成長が激しくなるにつれて、もう少し増えたかもしれませんが、与えすぎたなと思ったら、また水分のみを与えたりして調節していました。
こういったことも水耕栽培では通常水分を与えるということをせずに、毎回必ず規定の濃度の養液を与えていくはずだと思いますので、だいぶ違ってくると思います。また肥料の濃度が濃くなりすぎたりしてしまうのも、毎回肥料の入った養液を与えることで増加してしまうところなのかもしれません。
今回バケツで水耕栽培したトマトは思ったよりもだいぶ少ない肥料の量で育っています。バーミキュライト自体に栄養分があるとは思えないのですが、本当にこれだけで良く育ったという位の少ない肥料の量です。
実際、水やりなどは夏場でも朝夕二回というのはプランターなどでは普通ですが、毎日水を補充するというほど、蒸発するといったこともありませんでした。
感覚としては普通の植木に水を与えるようなそれぐらいの量の水で、たまにペットボトルに2Lの水をそのまま与えたりしていました。また屋外だったので、雨水がそのまま入るということも影響しているのかもしれません。
このようなことから、水耕栽培にありがちな毎日養液を作って補充するのに大変だったというようなことはありませんでした。本当に少ない回数、肥料を溶かして与えてだけになっています。自分としては他にもいくつもの物を栽培していたのでほとんど手を掛けられなかったのですが、そういった状況でも勝手にそだってくれたという印象です。